PYRO66開発秘話〜パッケージ

パッケージはユーザーが商品を目にする前に最初に目にするとても大切なもの。またブランドのイメージを象徴するものでもあります。店頭に並べることを意識しているパッケージと、コレクションアイテムとしてネット通販やわかっている人向けに作られているパッケージでは全く方向性が異なります。わかりやすいのはヨーヨーファクトリーのパッケージです。ベロシティやリプレイなどのパッケージはラックにかける仕様で、サイズも大きく、情報量も多く、売り場で目立ちます。それに比べ競技用モデルはヨーヨーファクトリーを知っている人が買うのでコレクションとして棚に並べることを想定し、販売ルートの大半がネット通販なので送料的なことも配慮に入っているコンパクトなデザインです。両方とも素晴らしいパッケージデザインですね。元チームプロヨーでバーサーカーという知る人ぞ知るデュオのチームプレイでいいルーティンを披露していたジョンヒューバーのデザインです。TeamProYoは人数が多かったのもありますが才能を持った人たちの集まりでした。

どちらにしろ情報量としてはヨーヨー本体よりも多いので、66%サイドとしてはメーカーの方向性を代弁するつもりもなく、コラボレーションとして、メーカーからのパッケージ供給を受けるスタイルを貫いてきました。

メーカーの本物のパッケージに66%ヨーヨーが入ってるという部分を重要視してきました。しかしHSPINはすでに活動終了のブランド、どちらにしろ新規でパッケージを作らないといけません。そのまま完全復刻をさせるか手を加えるかの選択がありました。

2005年のAPでパイロが先行販売されたときは下着のついたスペシャルパッケージに入ったPYROでした。HSPINというとベイシックなどのCoreシリーズの靴下入りのヨーヨーのイメージもありますが、PYROがすでに先行していたんですね。マレーシアのアパレルブランド、レディオアクティブとのコラボモデルでした。その後靴下をパッケージにして発売したことを考えるとアンダーウェアには何かしらのこだわりがあったのかもしれません。HSPINの靴下、たくさん持ってたので普段使いで意識無く、気がつくといまでも時々履いています。

ここでまた大人の事情が出てきます。一般流通している筒(紙管)にはPYROのオリジナルサイズと同じもの(長さ)がない。また各サイズあったとしても蓋が存在しないということです。紙管の多くがポスターや賞状用に作られていて都合よくぴったりサイズの短い管で蓋もあるというのがありませんでした。いくつかサンプルを取り寄せる中でおおよそ2/3サイズの短い紙管を見つけ、せっかく新規で作るのだしPYROにはすでにバイメタル化という大きな変更を加えてるのでパッケージも既成のルールにとらわれず、本当はやってみたかった2/3サイズで行ってみよう、ということで66%シリーズ初のミニパッケージで登場となります。

紙管のサイズ比較(右:オリジナル 左:66%)

パッケージデザインは実はいくつかバージョンがありますが、共通しているのはヨーヨーをしている女性が写っているということ。(金のPYROの黒箱を除く)

ヨーヨーのパッケージに女性の写真が載っているというのもHSPINというブランドのイメージを形つくっていく上で重要な要素でした。Chris氏に当時のデータが無いかを確認してもらったところもちろん当時のデータはあるけれど契約にない新規で起こす商品の場合、肖像権の問題で使えない、といわれました。女性をアニメ化して置き換えるか、シルエットだけにするかなどの方法が検討されましたが、グラフィック化してイメージをそのまま残す、という形で落ち着きました。これにはChris氏も喜んでくれ、せっかくやるならパッケージに書く言葉も今の情報と状況にあったものにしたいと提案してくれパッケージ作業が進みました。

Swiss madeがJapan madeに変わってたりよく見ると色々変更されてます。

せっかくなので回してみました。

PYRO66におけるパッケージは過去のブランドに対するオマージュたっぷりに、一緒に飾ったときに違和感のないスケール感と間違い探しに近い微妙な違いを楽しんでもらうパッケージにしました。

PYRO66発売は4月4日を予定しています。

タグ: